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松田 洋樹; 岩元 大樹; 明午 伸一郎; 竹下 隼人*; 前川 藤夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 483, p.33 - 40, 2020/11
被引用回数:3 パーセンタイル:35.72(Instruments & Instrumentation)大強度陽子加速器施設J-PARCにおいて、3GeV陽子入射による水銀標的から180度方向に放出される中性子のエネルギースペクトルを測定した。得られた結果は、粒子輸送計算コードPHITSによる計算結果と明らかな差異が見られ、その傾向はインジウムやニオビウムの放射化箔を用いた反応率実験の結果と一致することがわかった。鉛標的に対するGeV領域陽子入射中性子二重微分断面積の後方角におけるエネルギースペクトルの実験データとPHITSの核反応モデルを比較したところ、この差異は3GeV付近における核反応モデルによる中性子生成あるいは弾性散乱外断面積の記述に起因していることが示唆された。
沖田 将一朗; 田崎 誠司*; 安部 豊*
日本原子力学会和文論文誌, 19(3), p.178 - 184, 2020/09
京都大学加速器中性子源(KUANS)は、現在国内で稼働している小型加速器中性子源の一つであり、分光器や検出器の開発に活用されている。さらにKUANSは、比較的低い中性子発生強度のため、減速材設計に関する実験研究に適した施設でもある。KUANSのビーム強度の増加を図るため、リエントラントホールを有する減速材の核設計を実施し、KUANSを利用して設計の妥当性を確認する実験を行った。PHITSを用いた計算によって、リエントラントホールを有するポリエチレン減速材の核設計を実施し、その減速材から得られるビーム強度を実験的に測定したところ、これまで使われていた直方体形状の減速材を用いた場合の1.9倍のビーム強度が得られた。さらに直方体形状の減速材から得られるビームに対する波長毎のビーム強度比は、波長の長い中性子ほど増加し、最大で3倍程度になった。興味深いことに、減速材にリエントラントホールを設けることにより、長い波長の中性子ほどより効率的に減速材の中から取り出されることがわかった。
熊倉 稔; 伊藤 彰彦; 杉浦 俊男
質量分析, 22(1), p.61 - 70, 1974/01
エチレンオキシドのイオン-分子反応につき、飛行時間形質量分析計を改良し、イオントラップ法で研究した。改良したイオン源の構造につき説明し、メタンのイオン-分子反応につきこのイオン源によるイオン-トラップ法が十分イオン-分子反応の研究に使用しうることを確かめた。エチレンオキシドのイオン-分子反応で生成するプロトン化分子イオン(CHO)およびCHOの先駆体をRPD法で決定し、プロトン化分子イオンについてはCHOおよびCHOであることを確認し反応速度定数をそれぞれ1.4510および2.0510cm/molecule sec.と求めた。またCHOイオンの先駆体はCHイオンであることをたしかめその反応速度定数を2.1010cm/molecule sec.と求めた。さらにCDを含む若干の炭化水素とエチレンオキシドニ成分子における電荷移動およびプロトン移動反応についても報告した。